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受託ビジネスの泣きどころ リソースコントロール リスクをチャンスにするには?

 環境分析にかかわらず分析ビジネスは、受託ビジネスである。在庫ビジネスをしている業界から見ると、在庫リスクがなくて良いビジネスですねと言われることがあるのだが、

業種は変われど、常に受託ビジネスに携わってきた身からすると在庫ビジネスが魅力的に感じるこもある。お互いに隣の芝生は青く見えるというやつなのだろう。

 

 受託ビジネスにおいては、受注量を見越して社内リソースを常に維持していなくてはならず、これは一種の在庫ビジネスの変型でもあると言える。どれくらいの社内リソースを保持していれば良いのか、必要リソース量の見積がとにかく難しい。一定の受注量を常にキープするような業態、例えば、行政機関と長期的にやりとりするビジネス形態ならば、受注量のコントロールは簡単であり稼働状態を常に一定にできるからリソースについて悩む必要はない。一般的に受託ビジネスの難しい所は受注量の波のコントロールが難しく、容易にオーバーキャパシティとなり残業時間の劇的増加につながりやすいビジネス形態である。

 

 私が勤めてきた会社もとにもかくも受注量の変動が大きく、さらに受注量を毎年増やせというプレッシャーに常にさらされていた。生産管理の責任者という立場であった私は、リソースが多すぎると過剰人員・過剰投資と経営者・経理部門から叱責され、少なすぎると機会損失が発生し営業部門から非難を受けるという理不尽さを感じていた。繁忙期に増員で対応できる業種ならまだしも要員の教育には相当な時間を要するため、教育が終わる頃には閑散期になっているなど、一般的な方法論では通用しないビジネスでもあった。

 

 その後経営者としてビジネスに携わった際に、リソースコントロールこそが受託ビジネスの一丁名一番地の課題であると認識していたため、四苦八苦をしならがも実践を通じて自分なりに確かな方法論を確立していった。リソースコントロールの方法については、どこかの機会でアップしたいとおもうが、今回環境分析ビジネスにおける納期の問題について記したい。

 

 環境ビジネスは典型的な受託ビジネスであり、受注量の変動が季節性・週次性など非常に変動が大きいビジネスである。閑散期と繁忙期では業務量が数倍の差になることもざらにある。そして最も難しいのは1人当たりが裁ける処理能は、非常に低い傾向にある一方で、教育には相当な時間を要する。さらに典型的な小ロット・多品種なサービス形態であるため、ロボット化・IT化の効果が出にくいビジネス形態である。したがって注文量の変動を長納期にて受注することによって調整する事になる。各社のホームページを見てもらえれば明確な納期を記載している会社が少ないのは、分析業界特有の上記の構造に由来してると考えるが妥当なのであろう。

 

 さて逆に言えば納期を明確に提示できれば、顧客側の視点並びに競合他社との差別化の視点において明確なメリットになるだろう。さらに短納期での対応は付加価値として金額に変換できはずである。ただし業界的な商習慣なのか、単納期プランを明示している会社というのをあまり聞いた事が無い。また、業務上複数の納期プランが入り乱れると、システム面で対応ができるかどうかというのも重要なポイントである。納期別の価格プランが浸透していないのは、システム的な対応が難しいことも、原因であるとみている。

 

 弊社で手がけているLDS環境Solutionシステムでは、納期プラン別の価格設定にも対応している。さらに分析項目毎にプラン別の自動納期計算機能も備えている。納期別の価格プランを検討している会社はLDS環境Solutionシステムはお勧めである。